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長野地方裁判所 平成2年(ワ)77号 判決 1992年10月08日

長野県中野市大字片塩三四五番地

原告

田中技研工業株式会社

右代表者代表取締役

田中新司

右訴訟代理人弁護士

赤尾直人

右訴訟復代理人弁護士

武田芳彦

木下哲雄

和田清二

内村修

長野市稻里町中氷鉋字上荒沢四三五番地

被告

協全商事株式会社

右代表者代表取締役

平森典相

右訴訟代理人弁護士

永田泰之

主文

一  被告は原告に対し、別紙イ号物件目録及びロ号物件目録各記載のきのこ培養びんのキャップ冠着装置につき、別紙登録実用新案目録記載の実用新案権に基づいて、これらの製造販売の差し止めを求める権利を有しないことを確認する。

二  被告は、別紙イ号物件目録及びロ号物件目録各記載のきのこ培養びんのキャップ冠着装置が別紙登録実用新案目録記載の実用新案の技術的範囲に属する旨の事実を陳述し、又は流布してはならない。

三  訴訟費用は被告の負担とする。

四  この判決は、第二、三項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一  請求

主文と同旨

第二  事案の概要

一  争いのない事実

1  原告は、きのこ類栽培用機械器具の製造販売等を目的とする会社である。

2  原告は、現在別紙イ号物件目録及びロ号物件目録各記載のきのこ培養びんのキャップ冠着装置(以下それぞれ「イ号装置」、「ロ号装置」といい、これらをあわせて「本件装置」ともいう。)を製造し、かつ、販売している。

3  被告は、金属機器の販売等を目的とする会社であるが、昭和五七年一月二六日、別紙登録実用新案目録記載の実用新案を出願し、平成二年三月二〇日、出願公告がされ、平成三年三月二二日、実用新案権の設定の登録を受けた(以下、出願公告後登録前も含めて「本件登録実用新案」という。)。

4  被告は原告に対し、本件装置が本件登録実用新案の技術的範囲に属し、本件装置の製造及び販売の差し止めを請求する権利を有している旨主張している。

5  被告は、原告と同様きのこ培養びんのキャップ冠着装置の製造販売を行っており、相互に競争関係にある。

6  本件登録実用新案の構成要件

(一) 本件登録実用新案の構成要件は、実用新案登録請求の範囲(以下「クレーム」という。)記載のとおり、「キャップ整列板と押圧ローラとコンベアとから成り、キャップ整列板が下り勾配を付され且つ培養びんがその口縁をキャップ整列板の下端に近接して通過し得る間隔を開けてコンベア上に設けられ、キャップ整列板の上方に偏平部を残しその下にキャップを下方に列状に案内する仕切りバーによって仕切った複数の案内路を形成すると共に、この案内路内に最下位に位置するキャップをその一部がキャップ整列板の下端より突出した位置で下方への脱出を阻止するストッパを形成し、また、前記押圧ローラを、培養びんがキャップ整列板の下端を通過した後、培養びんに係合したキャップを下方に押圧する位置に設け、更に、送り側がキャップ整列板の偏平部のレベルよりやや高くされ且つ各仕切りバーの上端からキャップの直径よりやや短い間隔を開けて偏平部を横切るベルトを設けたことを特徴とするきのこ培養びんのキャップ冠着装置。」というものである。

(二) 本件登録実用新案の構成要件は、以下のAないしGのとおり、分説される。

A きのこ培養びんのキャップ冠着装置である。

B きのこ培養びんのキャップ冠着装置は、キャップ整列板と押圧ローラとコンベアとからなっている。

C キャップ整列板は下り勾配を付され且つ培養びんがその口縁をキャップ整列板の下端に近接して通過し得る間隔を開けてコンベア上に設けられている。

D キャップ整列板は上方に偏平部を残し、その下にキャップを下方に列状に案内する仕切りバーによって仕切った複数の案内路を形成している。

E 案内路内において最下位に位置するキャップをその一部がキャップ整列板の下端より突出した位置で下方への脱出を阻止するストッパを形成している。

F 押圧ローラを、培養びんがキャップ整列板の下端を通過した後、培養びんに係合したキャップを下方に押圧する位置に設けている。

G 送り側がキャップ整列板の偏平部のレベルよりやや高くされ、且つ、各仕切りバーの上端からキャップの直径よりやや短い間隔を開けて、偏平部を横切るベルトを設けている。

7  本件装置の構成の分説

本件装置の構成は、以下の(A)ないし(H)のとおり分説される(部品を特定するための数字は、別紙イ号物件目録及びロ号物件目録の第1ないし第6図記載の番号である。)。

イ号装置とロ号装置とでは後記(D)の点で差異があるだけで、後記(A)ないし(C)、(E)ないし(H)の点は全く同様である。

(A) きのこ培養びんのキャップ冠着装置である。

(B) きのこ培養びんのキャップ冠着装置5は、案内レール枠6と押圧ローラ7とコンベア4及びキャップ供給部1を有している(全体につき別紙イ号物件目録及びロ号物件目録の第1図、コンベア4につき同目録の第5図参照)。

(C) 案内レール枠6は、下方に湾曲した下り勾配が付され(同目録の第2図参照)、培養びん10がその口縁を該案内レール枠6の下端に近接して通過し得る間隔を開けてコンベア4上に設けられている(同目録の第5図参照)。

(D)(一) イ号装置

案内レール枠6は、上端においてキャップ保持条151と一体をなす偏平板15と接合し(別紙イ号物件目録の第3図参照)、左右両側において相向かい合う断面ほぼL字形の二個の下側レール枠61、及び各下側レール枠61にそれぞれ沿って設けられた断面ほぼ一字形の二個の上側レール枠62によって一つの案内路を形成し(同目録の第2、第4図参照)、これを合計四個順次隣接して設けることによって(同目録の第6図参照)、全体の案内路を形成している。

(二) ロ号装置

案内レール枠6は、上端においてキャップ保持条151と一体をなす偏平板15と接合し(別紙ロ号物件目録の第3図参照)、左右両側において相向かい合う断面ほぼL字形の二個の下側レール枠61、及び各下側レール枠61にそれぞれ沿って設けられた断面ほぼ一字形の二個の上側レール枠62並びに当該二個の上側レール枠62から等距離に位置する他の一個の上側レール枠62によって、一つの案内路を形成し(同目録の第2、第4図参照)、これを合計四個順次隣接して設けることによって(同目録の第6図参照)全体の案内路を形成している。

(三) 右(一)、(二)に述べたとおり、イ号装置と、ロ号装置とを比較した場合、イ号装置では二個の上側レール枠を設けているのに対し、ロ号装置では、当該二個の上側レール枠から等距離の位置にもう一個の上側レール枠を設けている点において差異があるのみであり、その余は全く同一である。

(E) 案内レール枠6の下端付近において、最下位に位置するキャップ30をその一部が案内レール枠6の下端より突き出した位置で下方への脱出を阻止するため、下方向ストッパ20(ただし、これはキャップ30を培養びん10に強く係合させる作用をも兼ねている。別紙イ号物件目録及びロ号物件目録の第5図参照)及び両側から横方向内側に向いた微少横方向ストッパ21を設けている(同目録の第3図参照)。

(F) 二個の押圧ローラ7を、培養びん10が案内レール枠6の下端を通過した後、培養びん10に係合したキャップ30を下方に押圧する位置に設けている(同目録の第5図参照)。

(G) ベルト18の送り側(キャップ30と接する側)は、偏平板15の高さのレベル内で、しかも、偏平板15の側部において、各案内レール枠の下側レール枠61の上端の高さのレベルから、キャップ30の直径に比較し、下端(案内プーリ172に張着している部位)において右直径よりやや短い間隔を空け、上端(回転プーリ171の下方の位置でこれに巻着している部位)において右直径より長い間隔を空けて偏平板15を横切るベルト18を設けており、各案内レール枠の下側レール枠61の上端とベルト18との間隔は、キャップ30の直径とほぼ等しいか又はこれより大きく設計されている(同目録の第6図参照)。

(H) キャップ供給部1は、下り勾配を有する移動棧11を介して偏平板15及びキャップ保持条151に挟まれる部位と連通している(同目録の第6図参照)。

二  争点

本件登録実用新案の構成と本件装置の構成を比較すると、一の6のAと同7の(A)とは同一であるが、一の6のBないしFと同7の(B)ないし(F)とをそれぞれ対比すると、本件登録実用新案では、上方に偏平部を残したキャップ整列板を用いているのに対し、本件装置では、案内レール枠が用いられており、一の6のGと同7の(G)とを対比すると、実用新案登録出願の際の明細書等の詳細な説明に記載された実施例のベルトの位置等と、本件装置のベルトの位置等に差異がある。これらの点につき、本件登録実用新案の構成要件の解釈として、同一と見ることができるかどうかが本件における主要な争点である。

1  争点1

本件装置の案内レール枠は、本件登録実用新案のキャップ整列板に該当するか。

(一) 原告の主張

本件装置の案内レール枠は、以下の点を考慮すると、本件登録実用新案のキャップ整列板に該当しない。

(1) 本件登録実用新案の「キャップ整列板」は、キャップを整列させるための「板」であり、しかも、本件登録実用新案の構成要素Dを参照した場合、当該板はキャップに対し複数の案内路を形成するに必要な左右の幅を有していることが前提になっているのに対し、本件装置の案内レール枠は、それぞれキャップを案内するレール状の細長い枠であって、前記のような左右の幅を有する板には該当しない。

(2) Dにおいては、「キャップ整列板は上方に偏平部を残し・・・」と表現され、偏平部は「キャップ整列板」の一つの構成要素であるのに対し、(D)における偏平板は案内レール枠とは異なる構成要素である。

(3) Dにおいては、仕切りバーが一つの構成要素であるのに対し、(D)においては、案内レール枠自体が個々の案内路を形成している関係上、仕切りバーは不要である。

(二) 被告の反論及び主張

(1) 原告の主張に対する反論

本件装置の案内レール枠は、以下の点を考慮すると、本件登録実用新案のキャップ整列板に該当する。

<1> 案内レール枠の基本構造は、板状の案内路の中央及び案内路を区切る仕切りの中央に、スリットを設けたものと同視しうるものであって、本件登録実用新案の「板で仕切った案内路」と実質的には同一である。

<2> 本件登録実用新案のクレームに記載されているキャップ整列板との用語は、仕切りによって複数の案内路を形成する板を、当該案内路にキャップが整然と供給されるという効果の点から用いているにすぎず、「キャップ整列板」と「案内レール枠」との用語の間には、重要な差異はない。

(2) 要部説の主張

本件登録実用新案は、「複数のびんに、同時に、かつ、冠着もれを生じさせないように、キャップを冠着することにより迅速に大量のキャップを冠着できる装置」であるという点に特徴を有するものであり、Ⅰ複数列に並んだびんを送るコンベアと、Ⅱ右びんに冠着するキャップを供給するための、びんの列に対応する複数の列状のキャップの案内路と、Ⅲ複数列のびんに同時にキャップを冠着する為の押圧ローラとを有し、かつ右Ⅱの複数の案内路に、簡単な構成により、円滑迅速に間断なく、常時適量のキャップを供給するために、ⅰ案内路に下り勾配を付し、ⅱ右案内路の最下端に、キャップの下落を防止するストッパを設け、ⅲ一つの案内路にキャップが一杯になった場合に、他に複雑な機械装置を付することなく他の案内路にキャップを供給しうるような位置に、キャップ供給のためのベルトを設けたことをその要部とするものである。

本件装置が本件登録実用新案の技術的範囲に含まれるか否かは、右の要部と本件装置の構成を対比することによって判断すべきである。本件装置についていえば、案内レール枠に下り勾配が付され、その最下端に、キャップの下落を防止するストッパが設けられていて、一つの案内レール枠にキャップが一杯になった場合に、他に複雑な機械装置を付することなく他の案内レール枠にキャップを供給しうるような位置に、キャップ供給のためのベルトが設けられているのであるから、本件装置の構成は、右の要部に抵触するものである。

(3) 均等論の適用

キャップ整列板の作成コストを低くおさえるために、キャップの落下面を一枚の板にするのに換えて、幅の細い板を同一平面上に連続して並べて形成する方法は、特許出願公告昭五一-三六六六六(昭和五一年一〇月九日公告)にも示されており、均等論適用の要件である容易推考性の要件を充足するといえる。

(三) 原告の反論

(1) 要部説への反論

実用新案の技術的範囲は、クレームに記載された構成要件に則して解釈すべきであって、クレームに記載された事項をいくつかの要件に分解し、その一つでも欠くものは、原則として登録実用新案の技術的範囲に属しないと解するべきである(構成要件説)。

(2) 均等論の不適用

均等論が成立するための要件としては、<1>対比される物件の構成要素が、権利主張の根拠たる考案の課題を解決するための技術思想に立脚していること、<2>クレームに記載された構成要素と対象物件の構成要素とが同一の作用効果を生ずること(置換可能性)、<3>クレームに記載された構成要素から、対象物件の構成要素に置換することが出願当時の技術常識に基づいて、直ちに一見明白に推知しうること(容易推考性)が必要である。

本件装置については、以下の点を考慮すると均等論の適用はないと解するべきである。

ア 被告が主張する特許出願公告以外の実用新案広報等においては、キャップが落下する下面はいずれも板状になっているものが開示されているから、当業者といえども、案内路に換えて案内レール枠を採用することは、出願当時においては想定し得なかったと考えられる。

また、たまたま公知例が存在し、これによって暗示され得るという程度では、容易推考性が認められないところ、被告が容易推考性の根拠として主張する特許出願公告も、せいぜい案内レール枠の採用を暗示するにとどまり、これを採用することが技術上の常識であったことを示すものとまではいえない。

イ 突出部を有するキャップを使用する場合、本件登録実用新案では摩擦係数が大きくなるのに対し、本件装置ではこのような支障が回避でき、異なった作用効果が得られる。

2  争点2

本件装置のベルトによるキャップの横送り機構は、本件登録実用新案のベルトによるキャップの横送り機構に該当するか。

(一) 原告の主張

(1) 本件登録実用新案のクレームの「偏平部のレベルよりやや高くされ」、「偏平部を横切るベルト」の形式的文言解釈

前記一の6のGではベルトが、「偏平部のレベルよりやや高くされ」ていることが条件とされており、これは、文言上「偏平部の高さ(地面からの高さ)の水準よりやや高くされ」の意味に解されるところ、前記一の7の(G)ではベルトが偏平板のレベル内即ち偏平板の上端より低い位置に設けられている。したがって、本件装置のベルトによるキャップの横送り機構は、本件登録実用新案のベルトによるキャップの横送り機構に該当しない。

なお、前記一の6のGの、「偏平部を横切るベルト」との記載は、本件登録実用新案の出願に係る明細書及び昭和六〇年九月二四日付け手続補正書の考案の詳細な説明において、偏平部の延長面よりやや高い位置で回転するベルトが設けられるとの趣旨の記載がされていることも考慮するならば、「偏平部の延長平面を横切るベルト」と解釈すべきである。

(2) 本件登録実用新案の出願登録経過を参酌したクレームの解釈

<1> 本件登録実用新案の出願に係る明細書には、実用新案登録請求の範囲第2項(従属クレーム)において、整列板の上端に近接し且つ偏平部の延長面よりやや高い位置で上走行面が回転するベルトが取り付けされていることを特徴とするとの記載がされている。

<2> ところが、被告は、キャップ整列板を複数設けただけでは進歩性が認められないとして、拒絶査定を受けたため、昭和六〇年九月二四日付け手続補正書において、当初の従属クレームを基本クレームに取り込むとともに、その点に進歩性があるとして、拒絶査定について審判請求をした。右手続補正書においては、考案の詳細な説明において、一方の走行面が整列板の延長平面よりやや高い位置で上端に横方向に回転するベルトが設けられていると記載がされ、キャップの横送り機構については、新たな技術内容は何ら加味されていない。

仮に、右手続補正書においてベルトの送り側が偏平部の延長していない平面上を横切る構成も含むものとして、内容が加味されたとすると、要旨変更に該当し、実用新案法九条により準用される特許法四〇条により、その時点で新たな出願が行われたものとみなされる。そして、ベルトの送り側が偏平部の延長していない平面上を横切る構成を有するキャップ冠着装置は、既に被告が警告書を原告に送達した昭和六〇年八月当時製造かつ譲渡しており、このような構成の装置は、日本国内において公然と実施されていたといえるから、要旨変更された本件登録実用新案は、無効事由(実用新案法三七条一項一号、三条二項)を有することになる。この意味からも、ベルトの送り側が偏平部の延長していない平面上を横切る構成も含むとの内容の変化はなかったと解すべきである。

<3> そうすると、キャップの横送り機構に関する本件実用新案の技術思想は、正に右<1>の従属クレームに記載された構成にすぎず、これを越えた解釈は不可能である。したがって、本件登録実用新案のベルトは、キャップ整列板上部の偏平部の延長平面を横切り、キャップの下側側面と接する形態で設けられることが前提となっており、偏平部のレベルよりやや高くとは、偏平部の高さ(地面からの高さ)の水準よりやや高くの意味に解され、前記一の6のGの「偏平部を横切るベルト」との記載は、「偏平部の延長平面を横切るベルト」と解釈すべきである。

のみならず、本件装置の場合、ベルトがキャップの側面と接しており、ベルトがキャップの側面と接するのは下走行面になるところ、右<1>の従属クレームではキャップと接するのはベルトの上走行面とされていた以上、被告が、本件訴訟において、本件装置のキャップの横送り機構が本件登録実用新案のそれと異なることを否定することは、許されないというべきである。

(3) ベルトと下側レール枠の上端との間隔について

前記一の6のGでは各(言い換えれば、それぞれの)仕切りバーの上端とベルトとの間隔がキャップの直径よりやや短いことを条件としているのに対し、前記一の7の(G)では、案内レール枠の下側レール枠の上端と偏平板を横切るベルトとの間隔は、キャップの直径よりも長いか、又は、ほぼ等しいかのいずれかであって、キャップの直径よりも短いことはありえない(別紙イ号物件目録及びロ号物件目録の第3図参照)。

(二) 被告の主張

(1) 本件登録実用新案のクレームの「偏平部のレベルよりやや高くされ」、「偏平部を横切るベルト」の形式的文言解釈

本件登録実用新案のクレームの偏平部の「レベル」とは、偏平部の水準という意味であり、「偏平部のレベルよりやや高くされ」とは、別紙図面Ⅰ記載のaの距離がプラスであることを意味するにすぎない。本件装置についても、同図面Ⅱのとおり、aの距離はプラスであるから、本件装置のベルトは、偏平部のレベル内にあるとはいえず、偏平部のレベルよりやや高い位置にあるといわざるを得ない。

また、原告の主張のようにベルトの位置が偏平部の延長平面より高い位置に限定されると解すると、ベルトが偏平部を横切ることがありえなくなり、妥当でない。

(2) 本件登録実用新案の出願登録経過を参酌したクレームの解釈

当初の実用新案登録請求の範囲の従属クレームの上走行面との記載は、実施例においてたまたま、ベルトと接しない一方の走行面が、地面からの高さの点で下になる場合を開示した結果記載された表現にすぎない。

(3) ベルトと下側レール枠の上端との間隔について

キャップは、たとえ最終列においてベルトと接していなくても、惰性だけでもキャップ整列板の最終列までは移動するのであるから、最終列においてのみ、キャップがベルトに接しないようにしただけでは、単なる迂回方法の一つに過ぎず、本件装置のキャップ横送り機構は、本件登録実用新案の技術的範囲を越えるものではない。

3  争点3

被告が原告の得意先に対し、本件装置が実用新案の技術的範囲に属する旨の誤った事実を触れ回り、競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を陳述し、又は、これを流布した(不正競争防止法一条一項六号)か否か。

(一) 原告の主張

原告は、昭和六一年四月以降、きのこ培養びんのキャップ冠着装置の製造販売を開始したが、昭和六二年一月以降は、本件装置のみを製造販売していた。ところが、被告は、原告の得意先に対し、本件装置が本件登録実用新案の技術的範囲に属し、本件装置の製造及び販売の差し止めを請求する権利を有している旨の虚偽の事実を流布した。

(二) 被告の主張

被告が訴外ホクト産業に対して、平成二年一月一八日頃原告の製造販売する「自動キャッパー」が本件登録実用新案の技術的範囲に属する旨警告したこと、その「自動キャッパー」には本件装置の案内レール枠が用いられていたことは認めるが、右「自動キャッパー」が本件登録実用新案の技術的範囲に属することは虚偽の事実ではない。また、当時の「自動キャッパー」は、キャップの横送り機構に関して、本件装置とは異なり、キャップ整列板の仕切りバーの上端とベルトの間隔がキャップの直径より短い等間隔の機械を製造販売していたのであって、当時、本件装置のみを製造販売していたとの事実は否認する。

第三  争点に対する判断

一  本件装置の案内レール枠が、本件登録実用新案のキャップ整列板に該当するか否か(争点1)について

1  前記第二の一の6、7で説示したとおり、(一)本件登録実用新案においては、面である板を仕切りバーによって仕切ることにより案内路が形成されているのに対し、本件装置においては、左右両側において相向かい合う断面ほぼL字形の二個の下側レール枠と断面ほぼ一字形の二個又は三個の上側レール枠62の合計四ない五個の独立した枠を組み合わせることによってそれぞれの案内レール枠が形成されているのみならず、(二)本件登録実用新案においては、上方に偏平「部」を残したキャップ整列板という表現がされており、偏平「部」はキャップ整列板という一枚の板と一体をなすものといえるが、本件装置においては、案内レール枠は、偏平「板」と接合してはいるものの、実質的に一体のものであるとはいえない。したがって、本件装置の案内レール枠は、本件登録実用新案のキャップ整列板には該当しないと言わざるを得ない。

2  被告は、要部説に立脚し又は均衡論の適用により、本件装置の案内レール枠が本件登録実用新案の考案の要部に抵触する旨主張する。しかしながら、実用新案登録請求の範囲には、考案の構成に欠くことのできない事項のみを記載しなければならないのであり、クレームに記載された構成要件を要部と非要部に分ける要部説の考え方は、現行法の解釈として採用しがたいものといわざるを得ない。更に、本件において均等論の適用があるかについて検討するに、均等論が成立するための要件としては、クレームに記載された構成要素から、対象物件の構成要素に置換することが出願当時の技術常識に基づいて、直ちに一見明白に推知しうること(容易推考性)が必要であるところ、本件全証拠をもってしても、キャップ整列板に換えて、案内レール枠を用いることが被告の実用新案登録出願当時の技術常識に基づいて、直ちに一見明白に推知しえたとは認められない。この点に関し、被告は、甲一九を根拠に、容易推考性を肯定できると主張するが、甲一九は、あくまでも、キャップの下側を板で構成したシュート(本件登録実用新案のキャップ整列板に相当するもの)を用いることを前提に、横側にツメのあるキャップを円滑に送るための機構として、キャップの入り口側において、上側にツメが突き出るような溝を設け、そのようなシュートを逆C字型にすることを考案したものであって、キャップを載せる部分をレールによって構成するとの発想が開示されていたとは認められないから、これをもって、容易推考性を肯定することはできないというべきである。

二  本件装置のベルトによるキャップの横送り機構が、本件登録実用新案のベルトによるキャップの横送り機構に該当するか否か(争点2)について

1  本件登録実用新案のクレームの「偏平部のレベルよりやや高くされ」の解釈について

クレームには「偏平部のレベルよりやや高くされ」との記載があるのみで、その表現自体からは、レベルがいかなる意味で用いられているかは明らかでないが、甲一によれば、考案の詳細な説明においては、(ベルトの)送り側がキャップ整列板又は偏平部の延長平面よりやや高い位置で(仕切りバーの)上端に沿って横方向に回転するベルトが設けられていると説明されている。そうすると、偏平部の「レベル」とは、偏平部の「平面」(延長面を含む)を意味し、「偏平部のレベルよりやや高くされ」とは、偏平部の平面(延長面も含む)より高い位置にベルトが設けられることを表現していると解釈すべきである。そして、本件装置においても、ベルトは、案内レール枠の下側レール枠の平面よりやや高い位置に設けられているから、右の意味では、本件登録実用新案と同一の構成になっている。

2  本件登録実用新案のクレームの「偏平部を横切るベルト」の解釈について

(一) 甲一、同八ないし一二に弁論の全趣旨を総合すると、被告は、出願当初から登録まで、実施例として、ベルトが偏平部の延長面を横切る例を挙げていたことが明らかである。したがって、少なくとも、「偏平部を横切るベルト」というのは表現上の過誤であり、偏平部の延長面を横切るベルトの意味に解すべきである。そう解さなければ、クレームと実施例が矛盾することになり妥当でない。

(二) 次に、「偏平部を横切るベルト」の意味に、文字どおり、本件装置のようなベルトが偏平部上を横切る構成も含める意味もあるのか、このような構成を排除していたと認められるかという点について検討をすすめる。

前掲各証拠によれば、(1)実用新案登録出願の当初は、従属クレームにおいて、偏平部の延長面よりやや高い位置で上走行面が回転するベルトが取り付けられていると記載され(甲八)、(2)昭和六二年九月二四日付けの手続補正書のクレームでは、一方の走行面が、整列板の偏平部に横方向に沿い且つ案内路が一杯になったときキャップに接触する位置で回転するベルトが設けられたことを特徴とすると記載され(甲一〇)、同日付けの審判請求書においては、キャップはその上方の一部をベルト上に載せつつ、ベルトの移動方向に偏平部上を回転しながら移動すると記載されるなど(甲九・12頁)、他方の走行面は、偏平部の裏側に位置することが前提となった考案がされていることが認められる。

しかしながら、甲一、一二によれば、最終的に補正され、公開されたクレームでは、送り側がキャップ整列板の偏平部のレベルよりやや高くされ、との表現に変化し、考案の詳細な説明においても右(2)に認定説示したようなキャップとベルトの接触方法に関しての限定のない記載に変化していることが認められる。このことに、右(1)の記載は従属クレームにおいてされていたものであって、本件登録実用新案の構成要件の一要素として意識的に記載されたものとは認められず、昭和六二年九月二四日付けの手続補正書や最終的な補正書によって、要旨変更があつたとまで認められないことやベルトの接触方法について限定的な表現をした審判請求書に基づく審判においては、結局、出願を拒絶すべきものと認めるとの判断がなされ(甲一一)、このような接触方法についての記載があったからこそ本件登録実用新案の出願公告及び登録がされたとまで認められないことを考慮すると、「偏平部を横切るベルト」には、文字どおり、偏平部上を横切る場合も含める意味もあると解すべきである。

そうすると、本件装置においてベルトが偏平板上を横切っている点を根拠に、本件登録実用新案の技術的範囲に含まれないということはできない。

3  ベルトと下側レール枠の上端との間隔について

甲一、同六の一、同七の二ないし四、同二四の一ないし四、同二五の一ないし四、検証の結果に弁論の全趣旨を総合すれば、本件登録実用新案においては、キャップを送り出すベルトと各仕切りバーの上端との間隔をいずれもキャップの直径よりもやや短くすることを要件としているのに対し、本件装置においては、そのような制約はなく、下側レール枠の上端とベルトとの間隔は不均等で、特に、わずかに四列ある案内レール枠の第三列目と第四列目の間の下側レール枠の上端が、他の列のそれと比較して短くなっていることから、ベルトと下側レール枠の上端との間隔がキャップの直径よりかなり長くなっていることが認められる。したがって、本件装置のベルトによるキャップの横送り機構は、右の点において本件登録実用新案のそれと異なっているといえる。

被告は、本件装置の右機構は、迂回方法にすぎないと主張するが、本件全証拠をもってしても、このような機構が、全く意味のない、単に、実用新案権の侵害の潜脱を狙ったにすぎないものと認めることはできない。

以上の次第で、結局、本件装置のベルトによるキャップの横送り機構は、本件登録実用新案のベルトによるキャップの横送り機構に該当しない。

三  右一、二の検討によれば、本件装置は、本件登録実用新案の必須の要件である第二の一の6の(二)のD及びGの各事項を欠くことになるから、その技術的範囲外のものというべく、原告による本件装置の製造販売は、本件登録実用新案権を侵害するものとはいえない。

四  被告が競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を陳述し、又は、これを流布したといえるか否か(争点3)について

被告が、平成二年一月一八日頃、ホクト産業に対し、原告の製造販売する「自動キャッパー」が本件登録実用新案の技術的範囲に属する旨警告したこと、その「自動キャッパー」には本件装置の案内レール枠が用いられていたことは当事者間に争いがない。

ところで、被告は、右警告を発した当時、原告は本件装置とは異なり、キャップ整列板とベルトの間隔がキャップの直径より短い等間隔の機械を製造販売していたと主張する。しかし、仮に、被告の主張のとおりであったとしても、右に説示のとおり、原告の製造販売した「自動キャッパー」は、本件登録実用新案における前記Dの要件を欠くものであるから、右警告は、原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を陳述したことになる。のみならず、被告は、本件装置も本件登録実用新案の技術的範囲に属するとの見解に立って、右警告を発しているのであるから、今後も、被告が原告の得意先に対し、本件装置が本件登録実用新案の技術的範囲に属するとの虚偽の事実を陳述又は流布し、原告の営業上の信用を害するおそれがあるというべきである。

第四  結論

以上の次第で、原告の請求はいずれも理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、仮執行宣言につき同法一九六条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 前島勝三 裁判官 菊地健治 裁判官 和久田斉)

登録実用新案目録

考案の名称 きのこ培養びんのキャップ冠着装置

出願 昭和五七年一月二六日

(実願昭五七-八二五〇号)

出願公告 平成二年三月二〇日

(実公平二-一一三五七号)

登録 平成三年三月二二日

(登録第一八五一〇七一号)

イ号物件目録

第一 図面の説明

第1図は、全体の構成を示す見取図である。

第2図は、案内レール枠、ストッパ、偏平板、保持条、ベルト及び回転プーリ並びに案内プーリの配置関係を示す見取図である。

第3図は、案内レール枠の下側レール枠と上側レール枠、偏平板、ベルト及び回転プーリ並びに案内プーリの配置関係を示す正面図である。

第4図は、案内レール枠において、上側レール枠と下側レール枠との位置関係を示す断面図である。

第5図は、キャップの冠着状態を示す一部側断面図である。

第6図は、キャップが偏平板及び保持条に保持されながら、ベルトの移動に伴って、一部が各案内レール枠に落下し、他の一部が横方向に移動する状態を示す正面図である。

1:キャップ供給部

6:案内レール枠

(61:下側レール枠・62:上側レール枠)

7:押圧ローラ 4:コンベア

10:培養びん 11:移動棧

15:偏平板 151:キャップ保持条

16:止め棒

17:プーリ

(171:回転プーリ・172:案内プーリ)

18:ベルト

20:下方向ストッパ 21:微少横方向ストッパ

30:キャップ

第二 構成の説明

一 第1図に示すようなきのこ培養びんのキャップ冠着装置である。

二 第1図及び第5図に示すようにきのこ培養びんのキャップ冠着装置は、案内レール枠6と押圧ローラ7とコンベア4及びキャップ供給部1を有している。

三 第1図及び第2図に示すように、案内レール枠6は、下方に湾曲した下り勾配が付され、第5図に示すように培養びん10がその口縁を該案内レール枠6の下端に近接して通過し得る間隔を空けてコンベア4上に設けられている。

四 第2図及び第3図に示すように案内レール枠6は、上端においてキャップ保持条151と一体をなす偏平板15と接合し、第2図、第3図及び第4図に示すように左右両側において相向かい合う断面ほぼL字型の二個の下側レール枠61、及び各下側レール枠61にそれぞれ沿って設けられ、断面ほぼ一字型の二個の上側レール枠62によって一個の案内路を形成し、これを合計四個順次隣接して設けることによって全体の案内路を形成している。

五 第2面及び第5図に示すように、案内レール枠6の下端付近において、最下位に位置するキャップ30をその一部が案内レール枠6の下端より突き出した位置で下方への脱出を阻止するため、下方向ストッパ20(ただし、これはキャップ30を培養びん10を強く係合させる作用をも兼ねている。)及び両側から横方向内側に向いた微少横方向ストッパ21を設けている。

六 第5図に示すように二個の押圧ローラ7を培養びん10が案内レール枠6の下端を通過した後、培養びん10に係合したキャップ30を下方に押圧する位置に設けている。

七 第2図、第3図及び第6図に示すようにキャップ30の送り側は、偏平板15の側部において各案内レール枠の下側レール枠61の上端の高さのレベルからキャップ30の直径に比較し、下端(案内プーリ172に張着している部位)においてこれよりやや短い間隔を空け、上端(回転プーリ171の下方の位置でこれに巻着している部位)においてこれより長い間隔を空けて偏平板15の高さのレベル内で偏平板15の側部においてこれを横切るベルト18を設けており、各案内レール枠の下側レール枠61の上端とベルト18の間隔は、キャップ30の直径とほぼ等しいか又はこれより大きく設計されている。

八 第1図及び第6図に示すように、キャップ供給部1は移動棧11を介して偏平板15及びこれと一体をなす保持条151に挟まれた空間と連通している。

第三 キャップの移動に関する説明

一 キャップはキャップ供給部1から下方向に傾斜する移動棧11をベルト18によって上側から引きずられ、これによって回転力を付勢されながら順次落下し、偏平板15及び保持条151に挟まれた空間に入り込む(第6図の<1>参照)。

二 右一によって、キャップは第一列の案内レール枠の上方に至り、第一列の案内レール枠に空席がある場合(キャップが充満していない場合)には、第一列の案内レール枠に落下するが、空席がない場合(キャップが充満している場合)には、下方に落下することができず順次後続して移動してくるキャップに押され、第6図(a)に示す第一列の左側の下側レール枠61の上段と第二列の右側の下側レール枠の上端の位置に移動し、当該位置ではベルト18と下側レール枠61の上端との間隔がキャップの直径とほぼ等しいため、キャップはベルト18の移動によって左側に回転移動させられる(第6図の<2>参照)。

三 右二によって、キャップは、第二列の案内レール枠の上方に至り、第二列の案内レール枠に空席がある場合(キャップが充満していない場合)には下方に落下するが、空席がない場合(キャップが充満している場合)には、下方に落下することができず順次後続して移動してくるキャップに押され、第6図(b)に示す第二列の左側の下側レール枠61の上段と第三列の右側の下側レール枠61の上端の位置に移動し、当該位置ではベルト18と下側レール枠61の上端との間隔がキャップの直径とほぼ等しいため、キャップはベルト18の移動によって更に左方向に移動させられる(第6図の<3>参照)。

四 右三によってキャップは、第三列の案内レール枠に移動し、第三列の案内レール枠に空席がある場合(キャップが充満していない場合)には下方に落下するが、空席がない場合(キャップが充満している場合)には、順次後続して移動してくるキャップに押され、第6図(c)に示す第三列の左側の下側レール枠61と第四列の右側の下側レール枠61の上端の位置に移動し、当該位置ではベルト18と下側レール枠61の上端との間隔は、キャップの直径よりも大きいため、キャップはベルト18の移動によって左方向に移動させられるわけではないが、後続して移動してくるキャップが存在する場合には、これに押されて更に左方向に移動する(第6図の<4>参照)。

五(一) 右四によって左方向に移動したキャップは、第四列の案内レール枠6上に至り、該案内レール枠6に落下する。

(二) この場合、第四列の案内レール枠6は、常にキャップが落下する空席が存在する(キャップが充満していない)ように、キャップ供給部1の供給ペースを調整しているので、キャップが順次後続して移動してくるキャップによって更に押されて左方向に移動することはない。

(三) しかも、第四列の左側の下側レール枠61の上に位置する止め棒16によって、キャップは更に左方向に移動することは阻止されている。

六 以上のように、第一列ないし第四列の案内レール枠6を落下したキャップは、第5図に示すように、案内レール枠6の最下端付近において一時的にストッパによって保持された後、きのこ培養びんの到着に伴い、該培養びん上に係合載置され、押圧ローラ7の押圧によってきのこ培養びんに密着させられる。

第1図(イ号)

<省略>

第2図(イ号)

<省略>

第3図(イ号)

<省略>

第4図(イ号)

<省略>

第5図(イ号・口号共通)

<省略>

第6図(イ号・口号共通)

<省略>

ロ号物件目録

第一 図面の説明(イ号物件目録の図面と対比した場合、第1図ないし第4図において、イ号物件目録では二個の上側レール枠が設けられているのに対し、ロ号物件目録では二個の上側レール枠から等間隔の位置にもう一個の上側レール枠を設けている点において異なるのみであって、第5図及び第6図は、イ号物件目録と全く同一である。)

第1図は、全体の構成を示す見取図である。

第2図は、案内レール枠、ストッパ、偏平板、保持条、ベルト及び回転プーリ並びに案内プーリの配置関係を示す見取図である。

第3図は、案内レール枠の下側レール枠と上側レール枠、偏平板、ベルト及び回転プーリ並びに案内プーリの配置関係を示す正面図である。

第4図は、案内レール枠において、上側レール枠と下側レール枠との位置関係を示す断面図である。

第5図は、キャップの冠着状態を示す一部側断面図である。

第6図は、キャップが偏平板及び保持条に保持されながら、ベルトの移動に伴って、一部が各案内レール枠に落下し、他の一部が横方向に移動する状態を示す正面図である。

1:キャップ供給部

6:案内レール枠

(61:下側レール枠・62:上側レール枠)

7:押圧ローラ 4:コンベア

10:培養びん 11:移動棧

15:偏平板 151:キャップ保持条

16:止め棒

17:プーリ

(171:回転プーリ・172:案内プーリ)

18:ベルト

20:下方向ストッパ 21:微少横方向ストッパ

30:キャップ

第二 構成の説明(イ号物件目録と対比した場合、イ号物件目録では、その第一の四記載のように二個の上側レール枠が設けられているのに対し、ロ号物件目録では、当該二個の上側レール枠から等間隔の位置にもう一個の上側レール枠を設けている点において異なり、その余は全く同一である。)

一 第1図に示すようなきのこ培養びんのキャップ冠着装置である。

二 第1図及び第5図に示すようにきのこ培養びんのキャップ冠着装置は、案内レール枠6と押圧ローラ7とコンベア4及びキャップ供給部1を有している。

三 第1図及び第2図に示すように、案内レール枠6は、下方に湾曲した下り勾配が付され、第5図に示すように培養びん10がその口縁を該案内レール枠6の下端に近接して通過し得る間隔を空けてコンベア4上に設けられている。

四 第2図及び第3図に示すように案内レール枠6は、上端においてキャップ保持条151と一体をなす偏平板15と接合し、第2図、第3図及び第4図に示すように左右両側において相向かい合う断面ほぼL字型の二個の下側レール枠61、及び各下側レール枠61にそれぞれ沿って設けられ、断面ほぼ一字型の二個の上側レール枠62並びに当該二個の上側レール枠62から等間隔に位置する他の一個の上側レール枠62によって一個の案内路を形成し、これを合計四個順次隣接して設けることによって全体の案内路を形成している。

五 第2図及び第5図に示すように、案内レール枠6の下端付近において、最下位に位置するキャップ30をその一部が案内レール枠6の下端より突き出した位置で下方への脱出を阻止するため、下方向ストッパ20(ただし、これはキャップ30を培養びん10を強く係合させる作用をも兼ねている。)及び両側から横方向内側に向いた微少横方向ストッパ21を設けている。

六 第5図に示すように二個の押圧ローラ7を培養びん10が案内レール枠6の下端を通過した後、培養びん10に係合したキャップ30を下方に押圧する位置に設けている。

七 第2図、第3図及び第6図に示すようにキャップ30の送り側は、偏平板15の側部において各案内レール枠の下側レール枠61の上端の高さのレベルからキャップ30の直径に比較し、下端(案内プーリ172に張着している部位)においてこれよりやや短い間隔を空け、上端(回転プーリ171の下方の位置でこれに巻着している部位)においてこれより長い間隔を空けて偏平板15の高さのレベル内で偏平板15の側部においてこれを横切るベルト18を設けており、各案内レール枠の下側レール枠61の上端とベルト18の間隔は、キャップ30の直径とほぼ等しいか又はこれより大きく設計されている。

八 第1図及び第6図に示すように、キャップ供給部1は移動棧11を介して偏平板15及びこれと一体をなす保持条151に挟まれた空間と連通している。

第三 キャップの移動に関する説明

この点はイ号物件目録の場合と全く同一なのでイ号物件目録の第三項を引用する。

第1図(ロ号)

<省略>

第2図(ロ号)

<省略>

第3図(ロ号)

<省略>

第4図(ロ号)

<省略>

第5図(イ号・ロ号共通)

<省略>

第6図(イ号・ロ号共通)

<省略>

別紙図面

<省略>

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